ミゲル・リョベット(Miguel Llobet, 1878年10月18日 - 1938年2月22日)はカタルーニャはバルセロナ生まれのスペインのギタリスト・作曲家。
タレガの高弟でセゴビアの師匠に当たる。
演奏活動だけではなく、すでに普及しつつあったレコード録音を利用することで、多くの国際的な影響を与えた。そのことで、20世紀におけるクラシック・ギター音楽復興の偉大な立役者だという評価が定着しつつある。
多くのギター曲の作曲とともに、郷土カタルーニャに伝わる民謡の採譜とそれらをモチーフにした作曲が有名である。
今回選んだのは、そのカタルーニャ民謡のひとつである「盗賊の唄」。
歌詞は以下のように、盗賊が捕まり極刑に処せられる寸前の辞世の唄である。
おいらがガキでいたころは
伊達を気取って うぬぼれて
見せびらかしのスカーフに
足には白いワラジばき
さらば、紫のなでしこよ!
さらば、夜明けの明星よ!
大の男になったいま
よからぬ道にはいりこみ
盗っ人稼業が板につき
来る日来る日のなりわいに
☆ 市場がえりの荷運びが
通りかかれば たちまちに
銭金すべて召し上げた
積んだ荷物もご同様
さらば、紫のなでしこよ!
さらば、夜明けの明星よ!
金がしこたま 手にはいりゃ
つぎにねらうは娘っ子
おいらの嫁にしてやると
ころりだまして連れてきた
☆ お上がおれを捕まえて
暗い牢屋にぶちこんだ
お上はおれを捕まえて
命でつぐないさせる気さ
さらば、紫のなでしこよ!
さらば、夜明けの明星よ!
ある意味、恐ろしいこの歌にロマンチックな曲をつけ、しかも、それを子守り歌として使われていたという、カタルーニャの方々のブラックな粋さが素晴らしい。
ご試聴をよろしくお願いします。
データ作成日:2015/11/28
データ公開日:2015/11/28
FileName : cancodel.mid
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